→HOME TOP →第2日 →第3日

四国 -道後温泉とうどん天国-


旦那「さて、冬休みはどうすっかな。どっか行きたいとこある?」
妻「うーん。積極的に行きたいところは特に・・・」
旦那「そういえば、まだ行ったことのない土地があるぞ。」
妻「それは・・・四国だ!」
旦那「よし。四国といえば道後温泉。そしてコシが命のさぬきうどんや!俺はこの旅でさぬきうどんマスターになるで!」

悲壮な覚悟を固めた旦那は、対照的に甘く切ない大学時代を香川で過ごした同期のK友にグッドスポットを教授してもらう。何でも「骨付き鳥」ちゅうのも高松名物?らしい。更に教えてもらった「さぬきうどんHP」を熟読し、検討に検討を重ね、700軒以上あると言われる中から厳選した店に行き、下腹が出るのも忘れて食いまくりました。
マスターになるからには修行もせなあかん!!ということで、短時間でマスターになれる?うどん教室にも入学を決意。
それ以外にも見所は結構いっぱいあるで(ちょっと失礼?)

ちなみに一言でうどん屋といってもそこは本場、様々なカテゴリーが存在する。
A・・・普通に座り、普通にオーダーし、普通に出てくる、どこにでもある形態のうどん屋。
B・・・最初に「ひや」とか「あつ」とか宣言すると店の人が丼に入れてくれ、具を自分で選ぶ「セルフ店」
C・・・「うどんは自分で茹でて、自分でつゆでも醤油でも具でも好きなもん入れるんじゃ」的な「スーパーセルフ店」

大まかに言ってこの3つに分かれると思う(全て当HPオリジナルな表現)が、やっぱり面白くってしかも安いのはCである。最初は勝手が分からず緊張したけどなー。当ページでご紹介するお店は、勝手にこのカテゴリー分けをしております。ご参考まで。


あなたもこれを見れば必ず四国に行きたくなーる、行きたくなーる行きたくなーる・・・・・


2003年2月16日 第1日


いつものように最大限時間を有効に使うべく、出発は早朝。6時半頃家を出て、8:15発高松行きの飛行機に乗ると1時間あまりで高松空港に到着。あれ、雨が降ってるやん。予定では車をGETして鳴門海峡に向かうつもりだったが、天気が悪い中で船に乗るのも気に入らんなあ。ということで予定変更し、2日目に行く予定だった金毘羅さんとうどん学校にいくことに。

本場のさぬき初体験 感動!

と、その前に腹ごしらえや!ということで、この旅初めてのうどん屋に向かう。まず、うどんの基本は「釜揚げうどん」やと思い、その筋では有名な「長田うどん」(香川県仲多度郡満濃町吉野1290-1に入る。この店は、基本的に釜揚げうどん一本で勝負する潔い店である。

まだ11時頃やっちゅうのに店の中は7割くらい埋まっていて、ほとんど地元の人っぽい。その中に観光客丸出しの2人が入る。どきどき、わくわくの中、とりあえず「釜揚げ(小)250円」をオーダー。ここは店の人が持ってきてくれるけどそれ以外は自分だから、カテゴリー的にはBに近いかな。


周囲をキョロキョロ見回し、必死に情報収集を行う。あ、あそこに生姜とおろし金が置いてあるので取りに行こう。だしをいれる猪口も取りに行くのね。だしはこの巨大な徳利の中か、持てへんくらい熱いやん。

しばし待っていると、丼に盛られた釜揚げうどんが登場。早速熱いだしを注ぎ、おろしたての生姜とねぎを入れて一口すする。「うまひー!!」真っ白なうどんはほどよいコシで、噛めばむにゅっと弾力があり、イリコの旨みが効いたつけだしは後味が最高に美味い!なんぼでも入るわとつるつる食ってたら、あっという間に完食。量的にちょっと物足りないが、この先の長い戦いを思い何とか踏みとどまる。いやー、この先が楽しみじゃわい!!

だいぶ雨は小降りになってきた。よし、次の目的地は金刀比羅宮(こんぴらさん)お参りとうどん職人への第一歩「中野うどん学校」への入学や。ちょうど昼時やし、うどん学校で食えるらしいから先に修行して、その後お参りに行こう(さっき食ったばっかやん)。

スパルタ授業もまた楽し

さて、「中野うどん学校」(香川県琴平町参道口)である。12時頃の回に申し込む。授業は小一時間で、卒業証書+麺棒+秘伝帳?と自分の打ったうどん付きで一人1,500円である。
ちょっと早めに教室?に行くが誰もいない。HPの写真は満員御礼状態だったが、2月の平日やから少ないんかなと思いつつ周囲に飾られている芸能人のサインやテレビ取材の写真を見て時間をつぶす。
と、ぱらぱら人が集まってきて総勢約10人集合。ちょっとして講師の自称「まっちゃん」(おばちゃん)先生が登場。

もっとリズミカルに!と鬼のような指導 醤油だけでも充分美味


一応授業なので、講義の時間もある。5分くらいやけど。水の量がどうのこうのっていう内容やったと思うが、「まっちゃん」の笑いのツボを押さえたしゃべくりが面白くてすぐ忘れた。

実技はいきなり始まる。粉と塩水を混ぜるように、とおっしゃる「まっちゃん」がやおらラジカセのスイッチをオンする。「はい、このリズムに合わせてー!」しばしの静寂の後流れてきたのは「亜麻色の髪の乙女」(当然島谷ひとみバージョン)。混ぜる係の参加者は皆腰砕けになりながらも、半強制的にリズムに乗せられる。せんせー、粉飛び散りまくってまっせと訴えたかったが、当のせんせーは歌いながら腰まで振ってご機嫌なためできなかった。


何とか混ぜ終わり、今度はさぬきうどんの命「コシ」を出すための「足踏み」ステージである。ここで妻にバトンタッチ。丈夫な袋に塊を入れ、床に敷いたゴザの間にそれを入れて準備完了。と、「まっちゃん」が再びラジカセのスイッチをオン。「次はなんや?」と本能的に身構える参加者。そして流れてきたのは「お嫁サンバ」(by郷ひろみ)。「サンバ踊ったら足踏みできへんやん」という突っ込みは「まっちゃん」には効かない。とにかく逆らわず踏むのだ!と応援していたら、「あんた!見てないで交代してあげなさい!」と怒られる。何で俺だけ〜(T_T)

次は「切り」ステージだが、今踏んだものは熟成が必要なので持って帰ってくださいとのこと。代わりに前日学校の人が作った物を切る。3〜4mm幅が標準だが、いつの間にか「ほうとう」のように太くなってしまう。
授業はここまで。その後、自分たちが切った麺を上の階で実際に調理して食べることができる。シンプルな釜揚げうどんだが、だし醤油とねぎ・生姜だけで食べるうどんも美味かったなあ。コシもお店のものに負けてまへんよ。
何よりも、ここで「まっちゃん」の授業を受けるだけでも話のネタになる。自分で作りたい!という人は本当に参考になるので、ぜひどうぞ。お奨めします。

本宮まで785段

雨もほとんど止み、いよいよ金刀比羅宮(ことひらぐう、通称こんぴらさん)お参りである。こんぴらさんの創建は明らかではないが、大物主神(おおものぬしのかみ:天照大神の弟)と崇徳天皇を祀り、昔から「海の神様」として崇められている。そのため、石段の脇にある灯篭や石柱には、中国・四国地方の造船所・船会社の寄付の記録が多く残っている。

最初のほうの石段。まだ余裕有り 本宮までの最後の石段。疲労の色が。 海の神様らしく、巨大スクリューの奉納
神馬。28歳(人間では112歳相当)

石段は結構長いが、ずっと階段だけではないのでそんなに苦にはならない。お年寄り・足の不自由の方のために駕籠もあります。
途中、「円山応挙障壁画展」や「神馬」を覗いたり、大門・旭社などの迫力に驚きながら、目的地の本宮にたどり着く。歴史を感じさせる重厚な佇まい。商売繁盛・無病息災・給料アップを祈り、しばし休憩。だんだん見通しが良くなってきて、眼下に「讃岐富士」の姿が見えるようになる。
785段を下り、参道に戻る頃にはだいぶ明るくなってきた。うどん学校の下の土産物屋で、本場のうどん粉とだし醤油を買ってこんぴらさんを後にする。





ええ運動したから小腹が減ってきたなあ、と思い始める。「晩飯までにはまだ時間あるから、もういっちょ行くか」。で、本日3杯目のうどん屋「讃岐の里」(香川県綾歌郡宇多津町198番地7)へ行く。田んぼと畑の中に突如現れる大きな看板。でも店構えはちょっと大き目の民家。駐車場にくるまがおらんなー。閉まってるかなと思ったらぎりぎりOKみたい。
結構広めの店内。ここは典型的なセルフ店やからBですな。「かけうどん小(200円)」をオーダーし、おばあちゃんが入れてくれた丼を受け取る。トッピングしようかな・・と思ったら、ほとんど天ぷら関係売り切れ!やっぱり4時近いからなー。麺も作り置き最終段階って感じやったし。いりこベースのだしは美味いのだが、コシがちょっと甘いかな。「うどんは生き物や!」を実感しました。

うどんは時間との勝負! 妻はかろうじて野菜天をゲット 「区内町御用達」の食堂「寄鳥味鳥」
これが骨付鳥。おや。 締めは当然うどんや!

今晩のお宿は、JR高松駅隣接の「全日空ホテルクレメント高松」。出来て間もないシティホテルで、部屋の窓から瀬戸内海・屋島のあたりが一望できる。晩飯は付いていないので、早速K友に教えてもらった骨付鳥の店「寄鳥味鳥」(よりどりみどり:高松市兵庫町1−24 木村ビル2F)に入る。
たたずまいは和風居酒屋といったところ。早速骨付鳥をオーダー。ちょっぴりスパイシーで適度に脂もあり、ビールが進む味だ。量もそこそこ多いし。K友が薦めるだけあるな、と納得。

締めはやっぱりうどんやろ!ということでややヤケクソ気味に「川福 本店」へ。メジャーなチェーン店である。本当は他に行きたいところだったが、日曜日のためあまり店が開いていないのだ。

ここはいたって普通のカテゴリーA系の店。こちらではざるうどんをオーダー。味的には、やはり普通。ただ結構量が多いので、だんだんつらくなってくる。4食分のうどんが腹に詰まってるんやから当たり前か。頑張って完食。でも、うどんって何やかんや言って腹に入ってまうもんやな。これがラーメンやと絶対無理。

→TOP

2003年2月17日 第2日

究極のさぬきうどん!

今日はうって変わって快晴だ。西へ東へ忙しいスケジュールが組まれているので、早起きして9時過ぎに隣の「玉藻公園」観光からスタートする。

朝日の中で梅が美しく輝く 月見櫓を撮る怪しげなカメラマンを激写


玉藻公園は、水城で知られた高松城跡に造られた公園で、黄門様で知られる水戸光圀の兄・松平頼重が藩主となり、228年11代にわたる松平藩の居城だったところだ。
さすがに月曜の朝から観光する人はなく、がらんとしている。珍しい屋根付き橋の「鞘橋」、天守閣跡などを眺めながら朝の空気を胸一杯に吸い込む。
散歩して少し腹ごなしをすると、うどんを入れるスペースが胃腸に確保される。妻はとっくにスタンバイOKか。

「じゃ、いよいよ『山越』っすな」

ありとあらゆる本・HPで大絶賛され、連休や夏休みに行ったりすると「駐車場に整備員がいる」だの「1時間並んでも食えない」だのという伝説の店に行くのだ。そのために朝10時という開店後の「プライムタイム」を狙って行くんや。
はやる気持ちを抑えつつ、慎重に車をすっ飛ばして駐車場に到着。そんなにおらへんな。歩いてすぐに「山越うどん」(綾歌郡綾上町羽床上602-2)の看板を発見!幸い店外に並んでいる人はいない。ありがたや、平日の有給休暇!!

「山越うどん」店内。活気があるで! 恍惚の味、至福の味、釜玉。 隣の縁側みたいなところで食す。奥の看板が目印

店内に足を踏み入れると、そこはめくるめくさぬきうどんワールドが広がっている。順番待ちの間に観察。おお、奥では今まさに足踏み中ではないか!その横では麺切り機で切る若者。さらにその横ではガンガン茹でるおばちゃんと冷水でガンガン締めているおばちゃん。さぬきうどんの家内制手工業あるいはうどんの「JUST IN TIME方式」とでも言うべき光景が目の前に!
定番の「釜玉(釜揚げに生卵を入れてかき混ぜて食べる):1玉140円/2玉230円」をオーダー(B系ですな)。丼を受け取って隣の縁側?みたいなところに着席し、醤油を少し垂らして納豆のごとくかき混ぜる。卵が半熟状態に固まっていい感じに。
つるつるとすする・・・。「う、うま、うま、うまひひーん!」と興奮した馬の如き声が思わず漏れる美味さ!ちょっと太目で、噛むほどに歯と歯茎を直撃するコシ、麺だけを味わいたくなる奥深き小麦の味、アルデンテ状態・断面のエッジの切れなどどれを取ってもこの世のものと思えない超A級の芸術品である。後先逆になるが、ここのうどんがこの旅のベストと言えるだろう。ああ、いつまでも噛んでいたい・・・
しかし、この超A級の芸術品が、シンプルなかけうどんだと90円で食えてしまうのである。オーマイガツ!3食プラスおやつ&夜食で食べても450円である。こちらの物価感覚を麻痺させる値段設定だが、香川では特段安すぎるわけではない。日頃からウン百円のうどんを食わされているこちらの方がそれに慣れてしまっただけだろうか。

渦潮はどこ?

衝撃のひと時を過ごした後、後ろ髪を引かれながら次の目的地「鳴門の渦潮」見物に向かう。高松市内から高速を使って1時間あまりで鳴門海峡に到着。早速観潮船に乗り込む。この船は、高いところから見られるがちょっと値段も高い席と、庶民向けの下の階の席2種類あるが、あんまり変わらんやろっつうことで庶民席に。

観潮船「わんだーなると号」 大鳴門橋とうずしおの一部

鳴門海峡は、徳島県鳴門市と淡路島の間にある海峡で、最も狭いところは幅1.3kmしかない。そのため「大潮」など干満の差が激しい日は約2mもの高さの違いが発生し、低いほうに向かってすさまじい勢いで水が流れる。そのときに海底の深いところと浅いところでスピードに差が出るため、そこに渦潮ができるらしい。自然の神秘である。

今日はええ具合に大潮の日。間近で見ると、海というより幅の広い激流の川に見える。「どこに渦潮あるん?」と目を凝らして見てもなかなか発見できない。

私は大きな勘違いをしていました。渦潮は洗濯機の渦みたいにずっとぐるぐる回ってるもんと思ってたけど、違うんやね。渦がぐるぐるしているんは数秒ほど。出来ては消え、出来ては消えて、場所も一定ではない。ちょっと違うが、モグラ叩きゲームのような感じやろか。「あ、あっちにできた!あ、今度はこっち」と忙しい。何とか写真に収めることができて満足(デジカメは今いち)。

祖谷渓から松山へ

渦潮見物を終え、徳島市内を通過して四国一の河川「四国三郎」吉野川沿いを上流に向かってドライブ再開。さすがに大きい川やなーと思っていたらだんだん川幅が狭くなり、代わりに山が高く迫るようになってきた。井川池田ICで高速を降り、さらに細い山道をずんずん進む。ここらへんは「剣山国定公園」の一部で、祖谷川(いやがわ)が深いV字型の渓谷を形作っている。途中、祖谷川から300mの高さの断崖になぜか小便小僧が立っている。昔は肝試しでやる人がいたらしいが、見ているだけで尿意がストップした。

祖谷のかずら橋。恐怖の叫びがこだまする

かずら橋に到着。これはシラクチカズラを編んでつくられた橋で長さ45m、水面からの高さ14m。ワイヤーで補強しているが渡るとユラユラ揺れるし、足元から激流が丸見え。足の小さい人は確実にはまって足バタバタ状態やと思う。
流れる川は透き通っていて美しい。人も少ないため、橋を渡る人のきゃーきゃーいう叫び声以外には聞こえない静かな山の中である。落ち着くねえ。
ちょっとのんびりした後、隣の吉野川上流を下っていくと、四国有数の景勝地「大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)」の渓谷沿いを走る。吉野川の激流が岩を削り、壁のような断崖絶壁を作り上げた名勝で、四国山脈を越える時の難所中の難所である。紅葉の季節がベストとのこと。川下りやラフティングも面白そうでっせ。




再び高速に入り、一路松山に向かう。夕闇が近づき、かつもやっているため瀬戸内海は見通しが悪い。夜になってようやく松山に到着。いや、今日はよう走ったわ。早速飯を食って道後温泉に入ろう。
道後温泉からほど近い「宝荘ホテル」にチェックインし、浴衣に着替えて歩いて道後温泉に向かう。さすがに裸足で下駄は冷えるのう。

おじいちゃん向けの熱さ まさに「千と千尋-」の世界 坊ちゃん列車に坊ちゃん団子・・・

道後温泉は、日本書紀にも登場し3千年という日本最古の歴史をもつ温泉である。道後温泉本館は明治27年に建てられ、国の重要文化財の指定を受けており、あの「千と千尋の神隠し」のモデルとなったといわれる建物。昭和天皇なども来浴した皇族専用の「又新殿(ゆうしんでん」、「坊ちゃんの間」など、由緒正しき温泉なのである。
我々庶民は300円払って1階の「神の湯」へ。観光客・地元の人が混ざり合って結構混んでいる。体を洗い、全てのお湯が掛け流しである道後3千年の歴史の温泉へいざ、飛び込め!!・・・ない。あっついいいのである。猫舌・猫肌のワタクシはとても我慢できない。ここに来る途中で冷えた体は容易にお湯を受け付けず、あちこちかゆくなってくる。絶対45度はあるな、と思っていると、周りのおじいちゃんたちは悠々と首まで浸かっている。相当皮膚が厚くできているに違いない。
しばらく足だけ浸けていると段々慣れてきて、何とか首まで入る。無色透明のお湯は気持ちいいが、5分も浸かっているとつらくなってくる。何回か出たり入ったりを繰り返して堪能することができた。おかげでホテルに帰っても体はほかほか。温泉上がりの地ビールは美味いの一言!

→TOP

2003年2月18日 第3日

朝飯を食った後、温泉近辺を散歩。坊ちゃん列車からくり時計などの定番スポットを見て回る。歩ける距離に色々見所があるのがうれしい。からくり時計の隣には足湯もあります。ここでは坊ちゃん団子一六タルト、栗焼酎のダバダ火振など定番お土産をゲット。
ホテルをチェックアウトし、松山城に向かう。松山市の中心部、勝山(標高132m)にそびえ立つ松山城は、賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦で有名な七本槍の一人、加藤嘉明が25年(1602〜1627)の歳月をかけて築いた。創建当時の姿で残る門などは全て国の重要文化財に指定されている。

戸無門。その名の通り戸が無い。 筒井門。松山城で一番大きい門。 再建された天守閣と紅梅。

熊本城のように石垣が美しい城である。戦略的にも優れた城で、くねくねと曲がる道を登っていると結構疲れるし、疲れたとこを狙い撃ちする銃眼がいたるところにある。天守閣には上がらなかったが、庭から眺める松山市街は素晴らしい。ちょうど梅の時期だったのも良かった。

まだまだうどんいきまっせ

さて、今日は再び高松に凱旋や!うどんが我々を待っている。昨日は1食しか食ってないからなー。早くも禁断症状か?
途中、伊予三島から翠波高原(すいはこうげん)に立ち寄るが、あいにく曇りで異常に寒かったため、一瞬で引き返す。
松山道から高松道へ入り、善通寺ICで降りる。少し走ると、本日1杯目の宮川製麺所」(善通寺市中村町1丁目1-20)に到着。

看板がないと絶対素通りする自信アリ 店内はいたって家庭的? ブレンドだしの「やましょう」

なんせうどん屋ではなく「製麺所」である。入り口には小麦粉の袋がセメントの如くうず高く積まれている。仕入れの車らしき軽自動車がやって来る。自転車で来た人が入っていくのを見て、「入ってもいいんやな」と安心する。
右手には机・イスがあり、左手と奥には厨房らしきスペースが。さて、ここはどうやってオーダーするの?
そう、ここはカテゴリーCのスーパーセルフ店だったのだ!店員らしき女性にこっそり指示を仰ぐ。
まず、置いてある丼を「自分で」取る。丼の大きさが麺の多さを示すらしい(今回は小120円也)。その後「お邪魔します」って感じで厨房に進み、「自分で」置いてある麺を取り、「自分で」茹でカゴに入れてお湯の中に入れるのである。どれくらい茹でるのか分からず、女性にこっそり聞くと「少しでいいですよ」と指示が飛ぶ。慌てて湯を切り、丼に移す。次に大きい寸胴に入っているだしを「自分で」すくって入れる。後は好みで薬味等を入れ、玉子の天ぷらを「自分で」取り、調理終了。その間、店員は指示をするだけ。果たして面倒くさいのか殿様商売なのか、真相は定かではない。まだねぎを切らないだけましか?
お味の方は、さぬきうどんの王道を行くいりこだしの美味しさ。玉子の天ぷらも、黄身が半熟状態でとろとろ美味。ただ、麺は作り置き時間が長かったせいかコシが若干失われている。2時頃やったからやろか。少し残念。でもうまいっすよ。

久しぶりにうどんを食べ弾みがついた我々は、ついでにもう1軒行くことにした。最初に行った「長田うどん」の近くまで戻り、「やましょう」(仲多度郡満濃町四條416-1」へ。一見やっているのかわからないので覗いていたら、おばちゃんが出てきて「やってるよ」とのこと。店の中は案外広く、ゆったりしている。カテゴリーBのセルフ店だ。奥にカウンターがあってそこで注文し、天ぷらとかを自分で取って会計する。ここでもかけの小(170円也)をオーダーする。
ここの特徴は、4種類のだし(かけ用とつけ用をぞれぞれ熱・冷)を自分で自由にブレンドできることである。麦茶でも入っていそうな容器から、熱いかけだし7と冷たいかけだし3を注ぐ。いい感じにぬるめになった。うどんは太めでなかなかコシが入っている。歯にガツンと来る食感で、男性的な歯ざわりである。コシが強いほうが好きな私に合う麺であった。
おばちゃんはとてもフレンドリーで、「どこから来たの?どうやってこの店知ったの?」とか色々話しかけてくる。空いていたせいもあるが、食い終わるまで話し相手になっていただきました。

19:30の飛行機までまだ余裕があるので、市内に戻り特別名勝栗林公園(りつりんこうえん)を観光する。

公園の六大水局の一つ「北湖」

栗林公園は、寛永年間(1625年頃)当時の讃岐高松藩主生駒高俊公によって南湖一帯が造園され、更に寛永19年(1642年)入封した藩主松平頼重公(水戸光圀の兄)に引き継がれ、100余年の間歴代藩主が修築を重ねて完成されたもの。紫雲山東麓にあり、約75万平方mの広大な園内は、池泉回遊式大名庭園の南庭と西洋風に改修された北庭に分かれている。
園内は特に松の木が美しく、鶴亀松など優美な姿に刈られた松や、皇族の方が植えられたお手植松の大きさが印象に残っている。



いよいよ旅も終わりに近づく。早めに空港へ戻り、レンタカーを返却してお土産を買い込む。やっぱりうどんが多いねえ。同期のT須やK松、K友へのお土産も当然うどん。
まだ時間が少しあったので、高松最後のうどんを食おうと「さぬき麺業 空港店」へ入る。ここまで来てもまだうどんかい!と思われそうだが、食べ比べへんと気が済まなくなってきている。危険な症状である。
ここは全部店の人がやってくれるのでAである。店内は時間待ちのひとで結構賑わっている。最後はシンプルに「生じょうゆうどん」をオーダー。温かいうどんにたっぷりの大根おろし、そこに生姜・ねぎを乗せてしょうゆをたっぷりかける。しかし、高松人は日本で一番生姜を消費する人種に違いないと思うほどどこでも出てくる。
麺は少し細めだが、コシはしっかりしており美味い。大根おろしは辛くはなく、醤油とからまり合って舌触りが良く、最後までズルズルと食べてしまった。名残惜しいが、高松のうどんはこれにておしまい!

と、そうは問屋がおろさない。家に帰ったらもうこのうどんは消化されてしまい、再び小腹が空いてくる。いいものがあった!と思いついたのが「中野うどん学校」で自分たちが打ったうどんの玉である。「二日も前のやけど、大丈夫やろか?」と思ったが、取り出して切ってみると特に問題なさそう。早速茹でて、買ったばかりの醤油を掛けて食べる。「うめー!」自分で作ったうどんは格別の味でした。

ここで今回”食破”したうどんを総括。

店名 食べたもの 評価 コメント
@ 長田うどん 釜揚げ ★★★★ あついつけだしが最高に美味い!
A 中野うどん学校 釜揚げ ★★★★ コシの強さは市販の物に負けていない。
B 讃岐の里 かけ ★★★ 時間帯が悪かったのが残念。
C 川福 本店 冷やしざる ★★★ 悪くは無いが、特徴も無い。
D 山越うどん 釜玉 ★★★★★特! 最高。美味すぎ。手作りの目標。
E 宮川製麺所 かけ ★★★★ 究極のセルフに近い。昼頃にもう1度。
F やましょう かけ ★★★★ コシが強いの好きな人向け。
G さぬき麺業 生じょうゆ ★★★ 美味いが値段は安くない。一般店。
番外 手作りうどん しょうゆ ★★★★ 二日経ってもこのコシ!びっくり。

3日で9食か。よう食ったな。でも、栄養的に見ると甚だ不足なんやろうな。小麦粉ばっかやし。ちゃんと野菜も食いましょう。

あなたもうどんを作ってみたくなりましたか?
さぬきうどんマスター」修行中の私の作り方もご参考までにどうぞ(→手作りページ )